〈忙中閑話〉                                       

 

  平成30年1月9日            高田 一

 

昨年より、早くブログを始めようと思っていましたが、忙しさにうもれて手がつけられない状態が続いていた。このままだと「時間を追いかける」のではなくて「時間に追われる」生活を続けて、生涯を終えてしまうのかと考えると、忙しい生活の中でもゆとりの時間をみつけて、静かな時を過ごし、自分を見つめる、ゆとりを持たないといけないことを切実に思います。

今年の目標は「静かに過ごす」ことで「忙中閑」「動中静」ということで、しっかり働き、しっかり楽しむことで、忙しい中にも静かな時間を持って、今、自分のやりたいことを少しずつやっていこうと思います。

事務所もおかげさまで40周年をむかえ、今年は41年に入ります。

「新たな視点で次の一歩へ」踏み出していきます。いろんな計画もあります。着実に歩んでまいります。これから、少しずつ、自分の思い、感じたことを話していきたいと思います。皆様よろしくお願いします。体の続く限り、生涯現役でしっかり生活していきます。

 

   平成30年3月8日       高田 一

 

「ふれあい体験学習」に思う。

私はもう10年近く、連島南中学校の「ふれあい体験学習」に講師として参加しています。

これは、実際にいろんな分野で頑張っておられる講師の方々に、体験されたことを話して頂いて、これからの生活に役立ててもらうことを目的としています。

昨年、H29年11月18日に行われ「あそび、生活、趣味、スポーツ、農業など」の19講座が行われ、51人の講師が発表されました。

全校319人の生徒がそれぞれ自分の好きな講座を選んで参加します。

私は『「建築士と建物づくりの実際」建築設計事務所の仕事について』というテーマで約90分話をしました。男女25人の生徒が熱心に聞いてくれました。

そのための事前準備も大変です。パワーポイント作成、レジメ、図面、模型、木の見本、スケッチ、写真などを持っていって、みんなに出来るだけわかりやすい様にしています。

年によっては、私の設計した近くにある100年以上経った古民家を見学させてもらうこともあります。

話しの最後に「送る言葉」を話しています。私の座右の銘の様なもので、これからの人生に役立てればと思って話します。

・一生青春、一生感動

・今が大切

・努力

・夢をもつ限り、努力する限り、夢は遠くない

・決心、実行、継続

・人生は出会いである

講座を終えて生徒から感想文が届きます。「将来、建築士の仕事につきたい」「大工さんになりたい」「住まいづくりの様子がよくわかった」「住まいをつくることの大変さを感じた」「送る言葉に感動した」などの言葉をみて、私も感動します。

若い人たちがこれから大きな夢をもって、はばたいてくれれば、私はとても嬉しいと思っています。何か若い人たちにお役に立てればと思って、これからも健康な限り続けようと思っています。

 

 

   平成30年3月11日            高田 一

 

「何才からでも始められる」

昨年11月と12月で4回、版画を教えて頂いた。

今までも、是非やりたいと思っていたが忙しさにかまけて参加できなかった。

今回は、私と考え方や趣味がよく似ている友人と一緒に思い切って参加した。

「70才の手習い」のつもりで挑戦した。

本当にやってよかったと心から思い、友人もこれから命のある限り続けたいと言っていた。

友人はホームヘルパーをしている。いろんな方がおられてその方たちに教えられることがたくさんある様です。94才の女性に、版画をコピーして、年賀状を出したら、ものすごく感動されて、その女性が「私も1年かけて版画を習いたい」と言われ、道具一式を買って行ってあげたようだ。94才でも元気一杯で、何事にも興味を持って好奇心旺盛で輝いておられる人で「1枚のハガキ」に心を動かされたようです。人間、いくつになっても好奇心を失わず、求め続けることが大切だと思った。

そして、思いついたことは「何才からでも始められる」すぐ行動を起こすことが人生の充実につながると、つくづく思った。

私もまた、いつまでも輝き続けたい。

 

     平成30年3月12日            高田 一

 

「東京の想い出」

3月4日と5日の二日間、久々に東京へ行ってきた。大学の材料系の研究室のOB・OG会で77才~25才までの140人が集まって、約3時間、時の経つのも忘れて楽しく話し合い、青春時代の想い出にひたった。

東京は私の青春時代というより、人生の大切な原点でもある。19才で大学受験のため、生まれて初めて夜行列車で、早朝東京駅のホームにおりたった。親友と待ち合わせをして会えるかどうか不安だったが、友人の顔を見たとき、不安は消えた。その日の情景がはっきりと目に浮かんできた。この出会いがなかったら、私の人生は全くかわっていただろうと思うと「人生をかえる大切な出会い」に不思議なものを感じた。

東京へ来ると、見るものすべて新しく、心わくわくし、とてもエネルギーをもらえるのだ。

一日は仕事や用事に使い、もう一日は東京をぶらぶら歩く。今回は大学の廻り(神楽坂)をゆっくり散歩し、学生時代の想い出にひたった。建物はすっかりかわっていても昔のなごりは残っていた。大学の裏に素敵な料亭がある。

月曜日で美術館などは休館なので、有楽町へ行って銀座を歩いた。数寄屋橋のソニービルが解体されていたのは残念だった。最新のビルが林立している。今回は「銀座シックス」をゆっくり見ることが目的だった。今までのデパートなどと違ってゆったりとしていて感動した。ツタヤの本の店は、本の展示もかわっていて、あらゆる本があり、コーヒーを飲みながら本も読める、すばらしい雰囲気だった。東京ならではの空間だと感じた。昼は日本ソバを静かな店でゆっくり味わった。

本当に二日間、心の洗濯をして、心から満足し、早々と新幹線で東京をあとにした。

「忙中閑」で東京に来て本当に良かったと感じた。

    平成30年3月15日             高田 一

 

「仏壇はいいものを置くと家が栄える」

5年前に本堂、客殿、庫裡をつくらせて頂いた法眼寺の住職と久々にゆっくり話した。

この人と話をすると不思議と心がなごむ。

今の人は、情報にふりまわされて、ものの価値がはっきりわかってなく、自分の信念や考え方がしっかりしてないように思われる。何が大切で、何はいらないのか、情報の選択が出来てないようだ。

住まいづくりも同じ、ただ商品としての住まいを求めるだけで、人の言うことにまどわされて高い買い物をしている。

自分でよく勉強して、考え、しっかり選んでから決める。設計事務所の人の声をよく聞くといい。

仏壇も同じで、本当にいいものを、出来れば40万円以上のものを買いたい。

生涯、何代も使われ、先祖様の住まわれるところ、少しでも出来る範囲でいいものを選んだ方がいい。

仏壇はいいものを置くと家が栄える。とても考えさせられました。

 

 

  平成30年3月29日            高田 一

 

「京都を旅して」

3月18、19日に久々に京都へ行ってきました。

友人と2人で奈良の50年来の親友に2日間、車で案内をして頂いて、ゆっくりと素敵な旅をしました。

一日目は京都から山を越えて約60㎞南丹市美山町の「かやぶきの里」に行きました。

途中、北山杉の林を見ながら、2時間ばかり曲がりくねった道をドライブして、やっと着きました。

まわりを杉林にかこまれて、南にゆったりと川が流れて、自然の災害を受けにくい、一寸、奥まった静かな所にある50戸の集落で、そのうち38棟がかやぶきの民家です。民家の素材はすべて身近にある自然素材で出来ていて、時と共に風化して、味わいが増して、時が経つとその都度手入れして、長く住み続けています。特に「かやぶき職人」を養成しながら民家を守り続けている、町をあげての取組みに、とても感動しました。この風景に身をおいて、真綿に包まれたような心安らぐ豊かな気持ちになりました。

私が、今、住まいづくりに求めているものがこれです。

二日目は、圓通寺、無鄰菴、東福寺の庭を見ました。圓通寺は洛北幡枝の地にひそやかにたたずみ、庭園は霊峰比叡山を借景にした枯山水平庭で四季折々の風情があじわえます。座敷より、庭、生垣ごしに遠く比叡山が見える様はみごとで、絵の様で、静寂のきわみで、心が引き締まるのを感じました。無鄰菴は山縣有明が京都に造営した別荘です。東山を借景とし、明るく開放的な芝生空間をもち、疏水の水を引いた軽快な流れを有した自然趣向の庭園です。母屋から眺める風景、光の変化、水の音などを感じられて、とてもやさしく心にしみいる様に素敵な庭で、時の経つのも忘れるほどでした。東福寺は、重森三玲の「八相の庭」、光明院では「煩悩の庭」を見ました。古い物を基調にしながらモダンさを感じる、すばらしい庭園を観賞しました。

この二日間は、日ごろの多忙な生活をすべて忘れ、見るものすべてが心にしみ入り、たくさんの情報、知識を取り入れて、また新しい気持ちで日常生活に帰ることが出来ました。 心身ともに栄養になるのを強く感じ、また次の旅をしたいと思っています。

 

  平成30年3月29日            高田 一

 

「四国88ヶ所、番外遍路旅をして」

私は長い間、遍路旅を続けています。

88ヶ所は6回まわり、番外20ヶ所は、今、2回目をまわっています。

昨年は№14~18、№19、№20と廻り、最後に№1にお礼まいりをして満願しました。

そして4月15日には、高野山へお参りする予定です。

19番香西寺は平地にあり、桜の花を見ながらゆっくりお参りしました。くすの木の大木の下にお大師様の像があり、静かに手をあわせました。お大師様の生涯の写真も大師堂で見せて頂き、苦労のほどがよくかわりました。20番大瀧寺へは塩之江街道を通り、山の中へ入って行きました。かなり山の中で、途中通行止めの所もあり、大回りして、山道を10㎞以上行き、絶壁の上の道をぐねぐねと登り、もうどうなるのか、本当に行けるのか、不安でたまりませんでした。やっとの思いで着いて、少し広い駐車場へ車を止めてお参りしました。帰っていく人に帰りの道順を聞きました。本堂にお参りして、お祈りし、納経して、心が晴れ晴れしました。長くかかって念願の満願をはたすことが出来ました。道は迷ったものの、脇町の方へ下りて、「楽庵」という日本ソバ屋で皿そばを食べてから、№1大山寺へお礼参りに行きました。ここは見覚えがあり、納経帳をかいて頂いて、達成感で満足しました。こんな気持ちは久々です。御先祖様に、心の中で報告しました。また、88ヶ所を巡ろうと心に決めました。(7回目)

あとは、4月15日に高野山へお参りする予定で、体調を整えておこうと思っています。

この日から、心を入れかえ、心機一転、しっかりと日々の生活に取り組んでいます。

毎日、いろんな嬉しい事、不思議な力を頂いています。感謝、合掌です。